超長波からサブミリ波~電波の周波数

前節では1秒間続くビットの表現のために、搬送波として周波数3Hzの正弦波と周波数2Hzの正弦波を使うことを考えました。

これは説明の都合上こうしたのですが、実際には送るべき信号の長さ(この場合は1秒)に比べて、搬送波としてははるかに細かい波を使うのが普通です。

周波数で表現すると、送るべき信号の周波数の範囲に比べて、はるかに高い周波数の波を搬送波にするということです。

送るべき信号の周波数の範囲を、信号の周波数帯域、あるいは単に帯域という表現をします。

たとえば身近な搬送波として、NHKのAMラジオであるラジオ第一放送を考えましょう。

この場合、送られる信号は「0」か「1」のデジタルではなく、音声をそのまま表現したアナログ信号ですが、それは別にどちらでも構いません。

なお、AM放送の実際の変調に関しては、13章で詳しく述べます。

NHKのラジオ第一放送には、594kHzの搬送波が使われています。

ここに音声信号を載せるわけですが、音声信号というのは、CDのようにかなり音質の良いものであっても、せいぜい20kHz前後までです。

AMラジオであれば、それよりずっと低いレベルまでしか載せられないはずです。

仮に12kHzとするなら、その50倍程度の周波数を搬送波に用いていることになります。

さて、搬送波には電磁波が使われる場合が多いのですが、特にその中で無線通信に用いるものを電波といいます。

もちろん、AMラジオで用いられている搬送波もこの電波です。

電波法では、周波数が3*10**12(10**12は10の12乗の意味)Hz(3THz)以下のものです。

ただし通信に使う以上、あまり低周波では意味を持たず、通常は3kHz以上のものが用いられます。

電波は3kHzから3THzまで、10倍単位で波に名称が付けられており、また使用目的もほぼ決まっています。

以下の通りです。

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周波数(Hz) 名称 使用目的例
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300G~3T サブミリ波 距離計
30G~300G ミリ波 無線航行
3G~30G センチ波 宇宙通信
300M~3G 極超短波 携帯電話
30M~300M 超短波 地上波TV
3M~30M 短波 短波ラジオ
300k~3M 中波 AMラジオ
30k~300k 長波 航空無線
3k~30k 超長波 船舶無線
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なお、極超短波はUHF波、超短波はVHF波とも呼ばれます。

通常の1チャンネルから12チャンネルの間で映る地上波テレビ放送はVHF放送と呼ばれ、一方で東京のMXや神奈川のTVKなどはUHF放送と呼ばれるのを耳にしたことがあると思います。

同じ地上波でも、新しくできた方がより高周波であり、アンテナも異なるのです。

また表には入れませんでしたが、FMラジオも超短波の搬送波を使っています。

2章で光も電磁波(電波には入りませんが)だと述べました。

ただし周波数がまったく異なります。

いわゆる可視光は、サブミリ波のさらに1000倍程度の周波数を持っています。

それより周波数のやや低いものが赤外線、高いものが紫外線ということになります。

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